第3章
便失禁診療の概論
便失禁診療の概論
2. 原因及び発生機序
便失禁の原因·病態
便失禁の原因・病態として考えられるものは次の通りである。
| NO | 原因·病態 | NO | 原因·病態 |
|---|---|---|---|
| 1 | 内肛門括約筋機能低下 (内肛門括約筋変性症を含む） |
9 | 直腸癌術後(低位前方切除後症候群) |
| 2 | 外肛門括約筋機能低下(外肛門括約筋萎縮症を含む) | 10 | 慢性下痢症(下剤の不適切使用、機能性下痢症など) |
| 3 | 経膣分娩時肛門括約筋損傷 | 11 | 陰部神経障害 |
| 4 | 外科的肛門括約筋損傷 | 12 | 中枢神経障害(認知症、脳梗塞後遺症など) |
| 5 | 外傷性肛門括約筋損傷 | 13 | 先天性肛門部疾患(鎖肛術後、ヒルシュスプルング病術後など) |
| 6 | 脊髄障害(脊髄損傷、二分脊椎、髄膜瘤など) | 14 | 直腸糞便塞栓 （遺糞症、直腸感覚低下、機能性便排出障害など） |
| 7 | 後天性肛門部疾患(内痔核、直腸脱など) | 15 | 機能性 |
| 8 | 過敏性腸症候群 | 16 | 特発性 |